鹿児島県中小企業団体中央会は、中小企業が1社では実現できない様々な課題について、連携組織を活用した経営革新・合理化を提案します。

有限会社木原製作所 代表取締役会長 木原純信 氏

組合・企業インタビュー

本物とは心にひびくもの ~お客の心にひびく仕事で存在感を示す~

有限会社木原製作所 代表取締役会長 木原純信 氏

 800 年の歴史を誇る川辺仏壇の製造の中で、錺(かざり)金具製造の技を継承。川辺仏壇をはじめとし、寺社や鎧兜等の装飾金具のデザイン・製造のほか、電子電装・自動車部品の製造まで手掛けている装飾用金具メーカーの有限会社木原製作所。近年は、仏壇金具製造技術を応用し、工芸品の開発にも力を入れる等、多数の商品開発を展開している。
 今回は、同社の創業者である木原純信会長にお話しを伺った。

職人になるきっかけ

木原純信氏

 川辺町は、麿崖仏やかくれ念仏等、古来より仏教と密接な関わりのある町で、12 世紀頃から作られている川辺仏壇は、昭和50 年、国の伝統的工芸品に指定されています。
 私は、その川辺町で、6 人兄弟の長男として農家に生まれました。幼い頃から、町には仏壇に関わる「職人」がいて、金槌で叩くトントンという音が響いている環境で育ちました。
 しかし、私自身特に職人になりたいという気持ちがあった訳ではありません。農家を継ぐものとばかり思っていました。この世界に入るきっかけとなったのは、中学校卒業後に、叔父が営んでいる仏壇金具屋に人手が足りないからとの理由で就職したことからです。
 当時は全てが手作業できつかったですね。兄弟子達が3 人いて、まさに丁稚奉公で、休みも盆・正月・お彼岸・運動会ぐらいでした。
 しかし、20 歳の頃、ある日たまたま友人と遊びに行った鹿児島市内のデパートでの美術展の作品を観て、ものすごい衝撃を受けました。人はこんなに感動させられるものを作ることができるのだと・・・。俺は今まで仕事をなめていた、ものづくりで飯を食うのなら、もっと真剣に取り組まなければならないと強く思いました。それからです。本気で職人を目指そうと思ったのは。


こんな仕事をしています

画像の説明

 我が社は、昭和32年創業以来、川辺仏壇や寺社、鎧兜等の装飾金具のデザイン・製造のほか、機械による金具製造、電子電装部品や自動車部品の製造を手掛けています。また、金型治工具や電子電装品の機械・プレスによる加工からメッキまでの一貫生産体制を採っています。
 近年は、仏壇金具製造技術を応用した工芸品の開発にも力を入れ、多彩な商品開発を展開しています。中でも好評を得ているのが、錫や金・銀・銅等を素材にした金属工芸品の「薩摩彫金」です。一枚一枚を丹誠込めて打ち込んだ小皿や酒器のほか、アクセサリー等、職人の技が光る芸術品は県内外や国外の人にも喜ばれています。
 現在、彫金工芸は、金属工芸品として新たなものづくりとして取り組んでいます。金属工芸の技に新しい感覚を注ぐ、これが薩摩彫金の目指すところです。職人達が夢と生命を注ぎ込んで生まれた作品で、多くの人々に人生の楽しみや喜びをもたらすことができればと思っています。


がんばれ伝統工芸品! がんばれ職人!

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 昭和11 年生まれの私にとって、今の日本には元気のなさを感じます。経済・文化・教育どれをとっても低迷している。 戦後の日本を経済大国にまでのし上げたのは、まぎれもなく、ものづくり技術者達でした。それが今では、技術分野は陽のあたらない場所となっている。学生達は、就職するなら公務員か安定企業のサラリーマンと言う。なんか寂しさを感じますね・・・。いろんな意味で、このままでは、日本は、世界からどんどん取り残されていくでしょう。この国の未来を非常に危惧しています。
 日本全体を見てもそうですが、鹿児島にも、川辺仏壇・薩摩切子・薩摩焼・琵琶・知覧傘提灯・垂水人形・種子鋏、そのほかにもいろいろな素晴らしい伝統工芸品が存在しています。
 こうした伝統工芸品が未来永劫、皆に必要とされるよう、技術の伝承を行っていくことは大切だと思っています。頑張れ伝統工芸品!頑張れ職人!という思いです。


経営者の力量

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 毎週1 回お寺で座禅を組んでいますが、最近やっと無の心になれるようになってきました。気持ちを落ち着かせ素直な心になる。素直な心になれないと、本当に何(誰)がいいのか本物が見えません。
 会社経営で気づいたことは、「自分(経営者)が変らないと会社は絶対に変らない。」ということです。業績が悪いのは決して従業員のせいではない。経営力・洞察力、そして人を育てる力・人をやる気にさせる力、そういったいろいろな面で経営者の能力は非常に重要だと感じています。
 そういう力量がない経営者には誰もついていきません。従業員の方が経営者や上司をよく見ていますよ。
 私は、従業員(職人)を教育するような優れた人間ではない、しかし、従業員(職人)には、安全第一で、素直な心で成長していってほしいと願っています。何度も言うようですが、人間は素直な心がないと本物が見えないのです。


心にひびく仕事

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 今後我が社は、川辺仏壇の錺金具の技の継承と若い職人の育成、また、その技術を進化させ、現代の生活様式にマッチした用と美を兼ね備えた金属工芸品の製作を目指します。工業部品については、「木原製作所でなければできない」と言っていただけるような技術をもって、社会に貢献できる企業を目指していこうと思っています。
 また、使い捨ての時代が見直され、良い物・本物を長く使いきるという時代に変化している今、これからは伝統工芸品をただ維持・継続させるだけではなく、時代や用途のニーズを踏まえ、新しい価値を生み出し、更に進化させていく努力が必要だと思っています。
 良い物・本物とは、心にひびくもの。だから、これからも心(ハート)をもって、お客の心にひびく仕事をしていきたいと思います。
「人の一生は重き荷物を負うて遠き道をゆくがごとし」
 自分におごることなく、他人を見下さず、素直な心と感謝の心を抱き、重荷から逃げることなく、これからも一歩ずつ歩いていきたいと思います。


有限会社木原製作所

  • 創業:昭和32 年9 月(昭和48 年10 月法人設立)
  • 本社・川辺工場/南九州市川辺町両添1491番地 TEL 0993-56-2111 FAX 0993-56-2113
  • 鹿児島工場/鹿児島市七つ島1丁目4番6号 TEL 099-261-3396 FAX 099-261-3395
  • 代表取締役会長 木原純信 代表取締役社長 木原史裕
  • 錺金具・金属工芸品の製造、各種部品の金属加工等
  • 主要製品は、仏壇仏具・社寺院装飾金具金属工芸品・電子電装部品・自動車関連部品等

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